1. 事件の概要

平成21年2月に、シャンピニオンエキスを含有した商品
(いわゆる口臭・体臭・便臭抑制をうたった食品)を販売する7社に対し、
景表法に基づき「合理的根拠の提出要求」がなされました。

しかし、7社の提出した資料からは合理的根拠は認められず、
景表法違反として商品の措置命令が出されたのです。

これを不服として、
シャンピニオンエキスそのものを製造・販売する株式会社リコム(東京都豊島区)が
審判請求を行いましたが、平成22年2月24日に却下の審決がなされました。

合理的根拠の提出を求められたのは、
当該商品を販売する7社であり、
シャンピニオンエキス自体が提出要求をなされたわけではない
というのが主たる理由です。
株式会社リコムはこの審決を受け、
シャンピニオンエキスそれ自体の効果・性能についての
否定的要因は払拭されたとしています。

2. 合理的根拠の考え方

今年2月の「消臭サプリ事件」が象徴しているように
景表法による追求も厳しくなっています。

景表法の追求プロセスでは
まず初めに所轄官庁より合理的根拠の提出が要求されます。
そこで、業者側で予めデータを備えておこうという傾向が強くなって来ています。

このような傾向はとてもよいことですが、ディフェンスという観点から考えると、
闇雲にデータを取ればよいということではありません。
「どういう広告表現をしているか」がとても重要なのです。
「ゲルマニウム入り腹巻き」の広告を考えてみましょう。

(A)「ゲルマニウム入り腹巻きで寝ている間に汗だくだく!
(B)「ゲルマニウム入り腹巻きで寝ている間にたるんだお腹に刺激を!

臨床データとして2つのプランを立てました。

(イ)寝る前と寝た後の腹巻きの重さを比較する
(ロ)腹巻きをつける前とつけた後の状態をレントゲン写真で比較する

どちらの広告表現にどちらの臨床データを備えるべきでしょうか?

(イ)は就寝中の汗の量を測ろうとしているので、
(A)の合理的根拠となりえます。

(ロ)は腹巻きをつけたときのお腹への物理的影響を測ろうとしているので、
(B)の合理的根拠となりえます。

このように、臨床データは広告表現との関係において
プランニングされるべきものです。
そうでなければ景表法対策として意味がありません。
ところが、巷の臨床試験機関は臨床試験には詳しくても景表法には詳しくありません。

その結果、せっかくデータを採取しても、いざ合理的根拠の提出
という時には役立たない事例がしばしば見受けられます。

では、無駄なくデータ採りを行うためにはどうしたらよいのか?

それは、(はばかりながら)私ども薬事法ドットコムにご相談頂くことです。

私どもは、景表法のノウハウ、マーケティングのノウハウ、そして
臨床試験のノウハウの全てを兼ね備えています。